この番組は世界のOSエンジンでおなじみの小川世紀の提供でお送りいたします 昭和11年、日本で初めて小型エンジンを発売、アメリカへ輸出開始 昭和13年、早くもマリンエンジン開発 次来、小型エンジンを見つめて40数年、ひたすらこの道を歩む 常に小型エンジンの世界をリードする、OSエンジン 科学の散歩道、今日も神戸大学の研究室にお邪魔しております。今日は大円を書くということでお話を伺います。今日のお話はこの方でございます。 神戸大学教養部教師の小高志郎先生でございます。よろしくお願いします。 先生ね、我々が図案とか模様を書こうと思うときに、四角とか丸とかは比較的ちゃんと書けます。 ところが大円形というのがなかなか書けないんですね。これ一体どうすればいいんだといろいろ悩んでるんですけど、それを先生にお伺いしようと思うんですよね。 大円というのは大体どういうものですか? 大円は円に次ぐほど身近な曲線なんですが、円を横から見ると全て大円になりますので、ところがこれは簡単に書けません。 円というのは正面から見なければ円にならないんですね。ちょっと歪みますと大円になりますね。 ですから大円を簡単に書こうという心には世界中でいろいろな人がやっております。 大体今まで実現された方法というのがここにある四種類の方法になっています。 大円形というのはその前に、定義みたいなものを簡単に教えていただけますか。 大円は二焦点があります。この点を固定しておきまして、紐を張りまして、紐の先に何か書くもの、鉛筆か何かをつけて、糸を貼って書きますと大円がきます。 つまりこの点は糸の長さは変わりませんから、二焦点からの距離の輪が一定な点の軌跡と言うと、これも正しい大円です。 その次はこれは何ですか。 これは円柱を斜めに切りますと、その切り口が大円になるという性質を利用したものです。 竹をスパッと切った的なアートですね。 そうですね、竹の切り口。 そうわかりますね。それからこちらの方は。 こちらはXY軸とありまして、この角度は固定されておるわけですけれども、それに三角形ABCが、AがX軸の上を、BがY軸の上を動かすときに、Cは大円を描くという性質を利用したものです。 このままこういうふうに動かすわけですね。 そうです。 この角度は直角にしておいて、三角形ABCを直線にいたしますと、その時はC点の大円が、定量的にどういう位置に、どういう大きさの大円を描くかというときに、この方が測りやすいというので、実際はこの方が使えます。 それでは、先生がいろいろ研究されている大円の描き方というのを教えていただきましょうかね。これだけあるわけですね。 一番初めの二小点から定長の紐を張って描く。これを実際に描いてもらいましょうかね。はい、お願いいたします。 さあ、こちらに紐が、紐通しピンが用意されているわけですね。 そしてこの紐はこれが伸び地にしない。曲がることが曲がる。 ゴムじゃダメですよ。 そうです。これに鉛筆か何かをかけまして、これを描くと、 それで大円になるんですか? そういうことになる。 ああ、 今、切り口がございましたから、ちょっと正確ではありませんけれども、論理的にはこれで描けるわけです。 なるほど。 二番目の円柱の斜断面が大円になることを利用するもの。これを教えていただきましょうかね。 さあ、これがその機械ですね。 そうです。 この紐は、紗紙に普通のコンパスが付いているみたいな感じですが、これをどういうふうにやるわけですか? これは紗紙にこういう直線の軸が付いております。先が針になっております。 それにコンパスのパイプがこれを修道、すなわち滑りながら回転できるような仕組みになっております。 ですから、この鉛筆の先はこれを回転しながら修道させますと、円透面を描くわけです。 これをこう紙の上にこう置きまして、 そしてこれを円透面を動かしながら紙の上に刷らせますと、紙はちょうどその円透を斜めに切断した形になるわけです。 そこに描かれるのが大円になるというわけです。 この紙が切断面ということですね。 そういうことですね。 さあ、じゃあ描いてみましょうか。 この点とこの点を通る大円を描こうといたしますと、まず短い方にこの半径を合わせます。 これはこれが自由に変えるようになっています。 そして、この傾きを変えますと、これがこの辺についたり、もっと先についたりするわけですね。 なるほどね。角度を変えるというわけですね。 角度を適当に変えて、その左手でこの軸を固定しておきます。 そして、これをここから外して回転しながら引き上げてやると。 こうしますと、こういう大円が正しい大円を描けます。 その引き上げ方は早くても遅くてもいいですか? 同じことです。これをほっときにこうやりますとこうなります。 なるほど。 そして、回転も同じことなので、回転しながら引き上げてやると。 そういう動作を繰り返せばいいと思います。 それでは今度は十字スライドを利用したもの、3番目ですけれども。 これは十字、十字溝というのがこれとこれになっております。 今さっきの軸になるわけですね。 そうです。これがX軸と、それがY軸。 そして、この点がこのX軸の上を滑る。 この点はY軸の上を滑る。そういうようになっております。 これを調節すると、大きいのを小さいのが描けるということですね。 ここを持って、こう描きますと。 なるほど。きれいに描けますね。 やってごらんないましたか? ちょっと調節しまして。ちょっと小さいの。 さあ、これで私が。 あれ?行ってしまったんですかね? ちょっと詰まりました。 こうですね。きれいに描けましたね。 なるほどね。 それでは、また違った十字スライドを利用したもの、この機会を説明していただきましょう。 これですね。 これはちょっと簡単に分からないんですが、大きい円盤と小さい円盤がございます。 大きい円盤は、これがガイドになりまして、そのガイドの中を回りながら滑っていく。 つまり、この大きい円盤の中心は、このガイドのちょうど真ん中の点をこういう直線に動くということになります。 小さい円はこのガイドに従ってこういうように動くわけです。 ですから、さっきのX軸、Y軸がこういう円盤の中心で置き換えられたと。 ちょっと形を変えただけという。 そういうことです。現実的には同じです。 この先に鉛筆がついておりまして、これをここを持って回転いたしますと、大円が中に書いてある。 ちょっと分かりにくいですけど。 ちょっと取ってみましょう。きれいに描かれてますね。 それじゃあもう一ついきましょうか。 今度はこれです。 こちらのほうが難しそうで、難的な感じがしますが。 これが十字のX軸、これがY軸。どちらがX軸でY軸でもよろしいんですけれども。 ちょうど下のところに、これが目盛りの斜めの軸になっております。 その先に鉛筆がついております。 これは上からこういうようなバネで適当な圧力で下に押さえておいて、ここを回すと大円が書いてある。 これも楽ですね。なるほど、十字スライドを利用したものを3つ紹介していただきましたけれども。 この機械を使うとすぐ書けますね。 そうですね。慣れると非常に簡単に書けます。 それじゃあ次のものを紹介していただきましょうか。 今度はその他。第4番目ですけれども。 その他はテンプレートによるもの、金字大円を書くもの。それからアフィンパントグラフを使って書くもの。 そしてコンピューターによって自動製図機を動かして書くもの。 こういうものがありますけれども、その一つ。テンプレート。これをご紹介いただきましょうか。 テンプレートと申しますのは、こういうプラスチックアクリルですが、そういうものの中にこういう、初めから大円の穴が開いているわけです。 これはよくありますね。これがテンプレートというんですね。 これを置いて、これを書けばいいわけですね。 これは簡単ですね。トラブルボーグ屋さんに行ったらいくらでもいいですね。 ただこれは連続的な形が変形ができないと。決まった大きさのものしか書けない。 中間のものが欲しいと思うと書けないし、もっと大円形でもいろいろあって、もっと丸に近いの、円に近いのを書こうと思えば書けませんね。 たくさんのものを用意しないといけないわけですね。 その点、今さっきご紹介いただいたものは十字材と。 そうです。どんな大きさの大円でも、ある制限がございますけれども、細長いものとか丸に近いものという大円がどんな形でも調節によって書けるわけです。 それではですね、金字大円を書くもの。これをご紹介いただきましょうか。 金字大円というのは何なんですか? 金字大円といいますと、これは数学的に正確ではないけれども、非常に数学的な大円と似ているというものです。 これは原理的には若干違ったものがありますが、これがそうなので、ちょっと書くようにいきますけれども、これを回転をしながら回してやると。 なかなか難しいんですが、私もあまり書きませんから、原理的に書けるということをお見せするために。 これもね、実は十字スライドを利用しているんですけれども、そこを匠にこういう溶動運動をスライドの十字一方の直線運動に変えたという点が実にこういうようなコアだと思います。 これアビント性ですけれどもね。 それではですね、アフィンパントグラフを使って書くもの。これをご紹介いただきましょうか。 これがアフィンパントグラフですね。 これ先生が何か発明されたというのを聞きましたけれどもね。 20年前にね。 じゃあ実際に台を変えていただきましょうか。 こちらでずいぶん大きいものですけどね。 こちらが円を書きますと、こちらが台になるわけです。 あは。 あ、そうですか。 全次元でスイナーを入れて。 こちらを。 こちらで円を書く。 はい。 こちらで円を書くと向こう側では台になっていると。 あ、見事な台が書けましたね。 あ、これ便利ですね。 これをこうやりまして、少し大きくします。小さいしましょう。 はい、そうですね。 これはフードスイッチでやるのがよろしいんですけれどもね。 こうやりまして、あとは掃除台が。 あ。 もう自由自在ですね、これだと。 これはあれですがどうしてですか。 これは機構学的にはリンク機構と平行支援系リンク機構と言いますとですね。 平行支援系の中にこう4点がとってあります。直線上に。 4点の中の2点が、うちの1つがこういう直線上動き、もう1つの点はこういう直線上動きと。 そしてこちらがある図形を描きますと、この4点はいつも直線上にあるんですね。 そしてこの4点の長さの比は変わらないと。 ですからこちらが図形を描くと、こちらはその図形をある一方向につきめた図形、つまりアフィン変換と難しいと言いますが、そういう図形を描かせるわけです。 じゃあこちらの図を向こう側に変えるという、働きをするわけです。 ですから円ですと楕円になります。 正方形ですと平行支援系になったり、区形になったりすると言えます。 いろんな用途があるわけですね。 そうです。 そのほかですね、コンピューターによって自動製図機を動かして描くもの。これはコンピューターですからどんなもので描けると思いますね。 今日は楕円を描くということでいろんな機械を見せていただきましたけれども、僕もすぐ描けるような気になってきました。どうもありがとうございました。 お待ちしております。 OSライブスティームセンターではライブスティームに関心をお持ちの皆様のご相談を受けたまっております。 詳しくは電話大阪06704-9821までご連絡ください。お待ちしております。 昔から人々はいろいろな機械と触れ合ってきました。 やがて蒸気機関車が誕生、世界を駆け巡りました。 蒸気機関車を愛して50年、たゆまぬ研究を続けたOS。 小型エンジンの王者、小川世紀がその進化を発揮するライブスティームロコモーティブ。 この番組はライブスティームのOS、小川世紀の提供でお送りいたしました。